未経験からITエンジニアになる方法の1個として、未経験者歓迎なんて求人を出しているIT系の会社に入る方法があります。
ITエンジニアの経験不要!
入社後、研修します!
研修後も諸先輩方がしっかりサポート!
残業も少ない!
みたいな求人があるんです。
なんてこった。
これなら、わざわざお金を出して、スクール行く必要無いじゃないか!
いやいや、おいしい話には、ワナがある?
未経験者歓迎の求人はワナか?
と未経験者をまどわす求人があるんです。
ITエンジニア歴、10数年、SIer、ベンチャー、スタートアップと渡り歩いてきた現役ITエンジニアが、この手の求人の真相を教えます。
・未経験者歓迎の求人の仕事って、どうなんだろう?
・ほんとにITエンジニアになれるんだろうか?
・実は給料が安いとか、サビ残があるとか、ブラックな企業じゃないんだろうか?
といった疑問に、お答えします。
結論として、この手の求人には、ワナもありますが、人によってはメリットもあります。
この記事を読むことで、未経験者歓迎の求人のワナが解り、自分にとって、メリットがあるか?どうか?が判定できるようになります。
専門用語について
アイコンがついている専門用語は、「知らないと恥ずかしいITエンジニアの用語集」ページに説明を記載しているので、専門用語の意味が解らない場合、リンクをタップして、説明を参照してください。
ITエンジニアで未経験者歓迎の求人の実例
実は、珍しいもんでもありません。
リクナビNEXTなどの求人サイトで、少し検索すれば、バンバン出てきます。
職種を「ITエンジニア」、勤務地を「東京23区」で、未経験者歓迎のチェックして、検索すれば、この通りです。
219件ありました。
求人もこんな感じです。
こんだけあると、どれがどうなのか?迷いますが・・・
よ〜く見てみると、大きく、この3タイプに分かれます。
・第2新卒や若手を募集している。なので未経験者歓迎
・元々経験者が少ないエンジニアを募集している。なので未経験者歓迎
・未経験者をエンジニアに育成し、現場へ派遣させるために募集している
ITエンジニアで未経験者歓迎の求人の実態
上の3タイプごとに解説します。
第2新卒や若手を募集している。なので未経験者歓迎
そりゃそうだ。
そもそも社会人としての経験も少ないんだから。
でも、第2新卒や若手にとっては、良い求人です。
新卒同様に研修を実施してくれて、エンジニアとして育成してくれる。
ほんとは、新卒も取りたいのかもしれません。
ですが、新卒は、なかなか良い人材が確保できないのかも。
新卒の時は、会社のネームバリューや規模なども、気になりますしね。
第2新卒や若手は、リクナビなどの公開求人の他、エージェントを利用した非公開求人も多数あると思うので、自分のなりたいエンジニア、やりたい仕事などを踏まえて、幅広く求人を見たら良いです。
第2新卒や若手は、エージェントは、やっぱり、業界最大手、リクルートエージェントがおすすめです。
これは、まぁ問題ないですね。
元々経験者が少ないエンジニアを募集している。なので未経験者歓迎
元々経験者が少ないエンジニアとして、インフラエンジニアやネットワークエンジニア、組み込み系エンジニア(エンデベッドエンジニア)などがあげられます。
このあたりのエンジニアは、絶対数も少ないですし、経験者も少ないので、転職活動している人も少ないでしょう。
分野によっては、専門的な知識、スキルが必要なので、経験者が現れてもマッチしないこともあるかと思います。
結果、未経験者も可とし、自社で育成するという求人です。
もし、インフラエンジニアやネットワークエンジニア、組み込み系エンジニアなどの希少エンジニアになりたい・興味があるなんて人には、メリットのある求人です。
逆に、なにも知らず、「インフラエンジニアやネットワークエンジニア、組み込み系エンジニアも、ITエンジニアでしょ?」と言って、飛び込むのは、ちょっと注意が必要です。
なぜなら・・・
これらのエンジニアが扱う技術は、難しいのです。
ITエンジニア自体、難しい職業というイメージがありますが、それに輪をかけて、このあたりのエンジニアは、難しい分野のエンジニアになります。
そして、地味です。
Web系を代表とする、キラキラとしたIT系とは、一線を画す、泥くさい仕事であります。
もしかしたら、作業服を着て仕事する系かもしれません。
もしかしたら、見たこともないようなコンピューターや機器に囲まれて、聞いたこともないようなプログラミング言語で、なんか超難しいことやる系かもしれません。
イメージと違う!
なんて言って、また転職・・・といった風にならないよう、どんなエンジニアか?どんな仕事か?どんな環境か?よく調べてから応募すると良いです。
求人情報だけじゃなく、会社の内情を知る口コミサイトがあるので、参考にしてください。
【転職活動】会社選びの参考に、会社情報の口コミサイト4つ、紹介します。
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未経験者をエンジニアに育成し、現場へ派遣させるために募集している。
さぁ、これが本命です。
これがまったく未経験から普通のITエンジニアになれる求人です。
なんかちょっと派手なバナーで、ポップな感じの求人になっているやつが多いです。
さそってますね・・・
このような会社に入ったら、どうなるか?と言うと、こんな感じです。
① 入社したら、2〜3ヵ月ぐらいは、お勉強です
プログラミングスクールのようなところに行く場合もあれば、自社で講師が研修してくれるところもあるでしょう。
② 研修が終了したら、現場デビューです
現場とは、お客さん(=システム開発を発注しているところ)の事務所かもしれませんし、自社かもしれません。
先輩社員や同僚社員とともに、現場に行くことなります。
以前は、ひとりで現場へ行く?なんてこともありましたが、もう法律が許しませんので、少なくとも、同じ会社の誰かとともに、現場でシステム開発の仕事を始めるでしょう。
③ 現場では、どちらかというと、雑務な仕事から開始
実は、2〜3ヵ月研修でプログラミングを勉強したからと言っても、現場では、ほぼほぼ役にたちません。
現場では、先輩社員や他の人から指示をされて、どちらかと言うと地味な仕事、雑務、誰でもできるんじゃない?という仕事から開始です。
④ 雑務もしつつ、少しづつプログラミングなんかをやっていく
だいたい、1年間ぐらいは、OJT(on the job traing)としての位置づけで、先輩社員などが、面倒見てくれるとは思います。
その後は、エンジニアとして、社会人として、いろんな仕事に挑戦したり、勉強したりして、一人前のエンジニアになっていくわけです。
このような派遣タイプの仕事のやり方を「SES契約(システムエンジニアリング契約)」と言います。
そして、SES契約で、エンジニアが現場へ行って仕事することを客先常駐と言います。
ITエンジニアのSES・客先常駐は、IT土方だとか、ブラックだとか、言われたりし、悪い話も絶えませんが、メリットもあります。
SES・客先常駐については、この記事見てください。
SES・客先常駐は本当に悪か?(結論)メリットとデメリットがあります。
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ITエンジニアで未経験者歓迎の求人のワナ(注意点)
3タイプの未経験者歓迎求人を紹介しました。
なりたい姿、なりたいエンジニアによっては、メリットのある求人もありそうです。
ですが、メリットばかりではないかもしれません。
デメリットとなりうる、ITエンジニアで未経験者歓迎の求人のワナ(注意点)を解説します。
給料が安いもしくは昇給しにくいワナ
特に未経験者をエンジニアに育成し、現場へ派遣させるために募集している求人ですが、他の会社のエンジニアに比べて、給料が安い事があります。
未経験から研修までして、育成しているんだから、最初は仕方ないでしょ。みたいな理由かもしれません。
未経験であっても、満足いく給料であったとしても、その後、昇給がそれほど望めないのかもしれません。
このあたりは、最初の給料から、その後、一人前のエンジニアになった後の給料まで、どのような基準、規則があるのか?確認しておきましょう。
また、給料以外にも、残業に関すること、賞与に関すること、退職金制度や福利厚生の有無など、いろんな角度で、自身の満足いくものか?確認しておきましょう。
なお、給料については、最初の会社は修行の場と安くても我慢し、一人前のITエンジニアになったら、より良い給料を求めて転職する!という覚悟を決めて、入社するのも良いかもしれません。
派遣先が無いと給料が減るワナ
エンジニアを現場へ派遣するだけの会社の場合、タイミングによって、派遣先が決まらないことがあります。
過去の例だと、リーマンショックのような不景気に見舞われたら時、仕事がなくて、派遣先が無いというエンジニアがいました。
仕方ないので、自社にいますが、自社ではすることはないので、自宅待機となり、派遣先が決まるまで、家で待っているような方もいました。
このようなケースで、給料を減らしてくる会社があります。
それって、会社員なの?とも思いますが、実際、そういう会社もあるので、注意してください。
これ、結構死活問題で、給料は当然生活費です。
生活費が無くなるようでは、安心して働けません。
エンジニアを現場へ派遣する系の会社の場合は、もし派遣先が決まらず、待機などになったら、給料はどうなるか?絶対確認しておきましょう。
給料は減額されます。なんて会社は、パスしましょう。
聞いてた仕事と違う仕事となるワナ
これも、未経験者をエンジニアに育成し、現場へ派遣させる系の会社ですが、いざ入社し、研修を終え、現場が決まったとします。
なんか、最初聞いていた仕事とぜんぜん違う・・・・みたいな。
Web系やりたかったのに、ばりばり業務系だよとか。
ITエンジニアになりたくて入ったのに、毎日、エクセルばっかやってるとか。
もうず~っとテストばっかしてるとか。
あるあるですね。。。
未経験者をエンジニアに育成し、現場へ派遣させる系の会社で、自分の仕事・案件がなにになるか?は、運任せなところがあります。
たまたま希望にあった仕事・案件に出くわす人もいれば、希望にあわない・興味がないような仕事・案件にまわる人もいます。
ある程度は仕方が無いかとも思えますが、ITエンジニアになりたいのに、プログラミングもしないような仕事ばかりでは意味がありません。
会社の取引先がある程度決まっており、事前にどんな仕事となるか解るところは良いですが、広範囲な仕事をしていて、その時にならないと解らないといったところは、求人情報だけでは判定できないです。
会社の内情を知る口コミサイトで実情をチェックしましょう。
【転職活動】会社選びの参考に、会社情報の口コミサイト4つ、紹介します。
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ブラック企業のワナ
これも、未経験者をエンジニアに育成し、現場へ派遣させる系の会社ですが、ブラック企業であることがあります。
どんな事かと言うと・・・
・研修が終わったら、ひとりで現場へ行かされた
右も左もわからない中、ひとりで現場へ行かされて、地獄を見た。というケース。
これ、SES契約であれば、ひとり請負といって、法律違反です。
今時、少ないかもしれませんが、要注意です。
・誰も何も教えてくれない
研修を受けたといっても、ITエンジニアとしては、まだまだひよっこです。
先輩などに教えてもらいながらでないと、まだまだ仕事はできません。
現役エンジニアである私から言えば、最低でも1年ぐらいは、先輩エンジニアの下に着き、手取り足取り教えてもらわないと、どんなに才能があって、意欲のある人でも、まともに成長することは難しいです。
でも、誰も何も教えてくれない。。。
会社の方針として、教えないなんてところは、論外ですが・・・
先輩エンジニアも忙してくて、教えるヒマがない、余裕がないなんてところもあります。
・めちゃくちゃ忙しい
あきらかに炎上中の案件へ放り込まれ、残業・休日出勤の連続。
休日であっても、電話がかかってくる、呼び出されるなど。
人間的な生活ができな〜い。
IT業界には、まだまだあります。ブラック企業。
・残業代がでない
最初から給料に残業xx時間分コミというところも多いです。
そのコミ分、超えても、なんだかんだと理由をつけて、残業代がでないところがあります。
違法です。
このようなブラック企業を避ける方法を2つ紹介します。
① 会社の内情を知る口コミサイトでチェックする
こちらです。
【転職活動】会社選びの参考に、会社情報の口コミサイト4つ、紹介します。
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② 転職エージェントを利用することでブラック企業を避ける
転職エージェントは、ブラック企業の情報を知っていますし、ブラック企業は求人に転職エージェントを使わない傾向にあります。
その他、未経験者がIT業界入りする場合、転職エージェントを使ったほうが良いケースがありますので、転職エージェントは積極的に利用しましょう。
未経験者が登録すべき転職エージェントについては、これ見てください。
IT業界を未経験だけど転職したいなら、登録すべき転職エージェント。おすすめ3つ。
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結論と対策
結論は、ITエンジニアの未経験者歓迎の求人に、ワナ(注意点)はある。
ワナ(注意点)はあるが、未経験でも受け入れてくれて、教育してくれて、ITエンジニアに手っ取り早くなれるというメリットもある。
現役エンジニアである私から言わせたら、「そりゃ、なんかあるよ。」と思う。
でも、未経験だし、教育もしてくれるんだから、ITエンジニアになりたいなら、修行も必要と思う。
ITエンジニアになるために、我慢できるレベルのワナか、我慢できないワナか、その見極めが大切。
対策はこうです!
・ワナ(注意点)をよく理解し、ワナは回避する方向で考える
多くの求人を候補とし、口コミも含め、情報収集し、その中から、なるべくワナ(注意点)の無い求人、条件の良い求人を選ぶ
求人サイト、エージェント、いろんなところから求人を見つけること。
口コミサイトも利用すること。
・一人前のエンジニアになるまでの修行と位置づけ、一人前になったら転職する決意でのぞむ
ずっと勤めようと思うと苦しくなりますが、そもそも短期間の修行の場と思えば、我慢できることもあるでしょう。
目的は、一人前のエンジニアになることとし、ワナ(注意点)に引っかかったら、これでは、一人前のエンジニアになれないと思ったら、辞めて、違う会社へ行く。
一人前のエンジニアになれるなら、我慢できるというなら、我慢して、速やかに一人前のエンジニアになる。
はれて、一人前のエンジニアになったら、残るも良し、転職するも良し。その時、選べば良いです。
以上「ITエンジニアの未経験者歓迎の求人はワナか?」でした。